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Anthem / ANTHEM
火薬バカ一代 ★★ (2011-09-19 00:20:21)
BURRN!!の大野奈鷹美女史がライナーを執筆しているのが今となっては時代を感じさせる、ANTHEM、'85年発表の1stアルバム。(副題は『パワー・メタル戒厳令』)
5Xのジョージ吾妻がプロデュースを手掛けている本作だが、全体的にとにかくラフで荒削り。音質はもとより収録曲にしても、ファンに広く認知されている現在のANTHEMサウンドとは大きく異なる、整合性よりも初期衝動をダイレクトに叩きつけて来る勢い任せな作風で、再結成以降にバンドのことを知ったリスナーがコレ聴いたらさぞかし面食らうに違いない。取り分け、青さ全開の坂本英三の歌唱にはほっこりさせられますねぇ。
しかし、ギラギラとした若さ剥き出しのANTHEMサウンドってのはここでしか聴けないレア物であり、その筆頭たるACCEPTばりの突撃パワー・メタル・チューン“WARNING ACTION!”は、発表当時イギリスにおいて高く評価されたという話も納得のいく、初期ANTHEMならではの逸曲。また重心低く押し出してくる“LAY DAWN”や、切れ味鋭い疾走ナンバー“STEELER”も問答無用で頭を振りたくなるカッコ良さだし、それに何より本作は、バンドのテーマ・ソングにして後の彼らの音楽的方向性を指し示す名曲中の名曲“WILD ANTHEM”の存在がトドメを刺す!
月並みな表現ですが、まさしく「磨けば光るダイヤの原石」的輝きが感じられるデビュー作ですね。

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