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Timystery / SABER TIGER
火薬バカ一代 ★★★ (2011-08-18 23:50:02)
久保田陽子(Vo)を擁する5人編成SABER TIGERの最高傑作にして最終作となった、'95年発表の3rdアルバム。
緊迫感を孕んで刻まれるテクニカルなリフ&リズム、複雑且つドラマティックな曲展開、徹底的に練り上げられた精緻なアレンジの数々といったプログレ・メタリックな要素を備えながらも、パワーと表現力に富む久保田のVoや、エモーションとテクニックに裏打ちされた木下昭仁のGプレイから豊かに導き出されるメロディが、常に楽曲に強力なフックを与え続けるため理屈っぽさ皆無・・・というSABER TIGER流HMサウンドを継承しつつ、更に今回は、前作『AGITATION』の取っ付き難さの要因とも言えたダークなヘヴィネスやサウンド・プロダクションのチープさが減退&改善。
また大作志向に一定の歯止めが掛かり、曲間を切り詰めて配置された収録曲がテンポ良く切り込んで来る構成ゆえ、ミステリアスに疾走するOPナンバー“NO FAULT/NO WRONG”に始まり、バンドの代表曲の一つ“DISTRESSED SOUL”、各楽器の見せ場が盛り込まれたアルバムのハイライト的名曲“BAD DEVOTION”を経て、憂いに満ちた劇的なヘヴィ・バラード“SPIRAL LIFE”によって締め括られる本編は、非常にテンポ良くサクサクと聴き進めることが出来る。
かえすがえすも、本作を最後にこの編成が終わってしまった事が悔やまれる、捨て曲なしの逸品。(SABER TIGERはその後も素晴しい作品を作り続けているわけですが)

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