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Armageddon's Evolution / CRIONICS
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2011-07-22 22:03:58)
2004年発表の2nd。
DISK UNIONのガイド本でも紹介されていて、気にはなっていたんですが…実際聴いてみて驚きました。数あるシンフォニック・ブラックの中でも、間違いなく上級の音ですよ、これ。

まずバンドサウンドの轟音が聴き手を一瞬で非日常の魔界へトリップさせ、そこにトレモロリフやキーボードによる上品ながら、どこか空恐ろしい狂熱に浮かされたような、神秘的なメロディが絡んでくる音像の聴き心地は、あのEMPERORの「Anthems~」を想起させます。轟音の中で絶叫を繰り返すヴォーカルの質感も、どこか当時のIhsahnに通じる狂気を感じるもので素晴らしい。

ただ、かなりゴチャついた音像で、それが妙な非日常性を産んでいたEMPERORの2ndに比べ、こっちはデスメタル的な圧迫感のある音像でそれを成している感じ。ギターソロを要所で入れる辺りもデスメタル大国のポーランド産らしい音といえるかもしれません。また、刻みリフを入れるにしても、タメの効いたフレーズを入れたり、禍々しいメロディを仕込んだりして、暴虐性に飽かせた単調な展開にならない曲作りも、かなりセンスが良いと思う。

個人的にはデスメタル的なエクストリームメタルとしての暴虐性を維持しながら、初期EMPERORを思わせる聴き心地、魔性なメロディセンスがあるという時点でかなり高評価な作品ですね。EMPERORミーツBEHEMOTHという感じ。私にとってEMPERORはやっぱり特別なので、軽々しく「EMPERORを超えた」とは言えませんが、少なくとも肉薄する力作だとは思います。

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