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Human Remains / HELL
火薬バカ一代 ★★★ (2011-07-11 22:42:45)
数々の不運を被ってNWOBHM史の陰へと埋もれてしまったバンドが四半世紀の時を経て復活。かつてのデモ用マテリアルを現代技術を駆使して再構築し、'11年に発表するや関係各所で絶賛を浴びた初のフルレンス・アルバムがこれ。
MERCYFUL FATEやKING DIAMONDに通じる、ダークで大仰でオカルティックなHMサウンドは、在りし日のNWOBHMの密教的な空気が、さながらタイム・カプセルの如く濃密に封入されているが、それでいて貧乏臭さや時代錯誤感がないのは、元々の楽曲の完成度の高さに加えて、プロデューサー兼ギタリストとして全面参加している、名手アンディ・ス二ープの仕事の枠を越えた献身に依るところ大か。
全面に押し出された大作主義に、曲間をSEとインスト曲で繋ぎ合わせ、映画のサントラばりに綴られる本編の壮大な構成等、プログレッシブ・ロックからの影響も露わな作り込みが為されている一方、比較的ストレートな疾走ナンバー⑥⑩を聴けば判る通り、エッジの立ったGリフと躍動感溢れるリズムがHM然としたノリの良さも備えているため、思ったよりずっと聴き易い本作。
とは言え、やはりこのバンドならでは個性とアルバムの聴き所がしかと刻印されているのは、奇怪に蠢くGリフ、起伏の激しいメロディを(現役俳優というスキルを活かして)シアトリカルに歌い上げるVo、荘厳にしてシンフォニックに曲調を盛り立てるKeyとが怪しく絡み合う、②③⑤⑦⑪といったオドロオドロしくもドラマティックな楽曲の数々だとは思いますが。

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