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Nothing$ $acred / LAAZ ROCKIT
火薬バカ一代 ★★ (2011-04-29 01:44:53)
'91年中に完成していたものの、所属レコード会社の倒産に巻き込まれたため、'92年になって漸くROADRUNNER RECORDSからリリースされた5thアルバム。
当時は、息苦しさを覚えるほど重厚な作風が負担となって、あまり頻繁に聴き返すことはなかったが、HR/HMシーンが過激化の一途を辿った90年代~00年代を経て、今改めて本作と対峙してみると、案外普通にスピーディでパワフルな良質のスラッシュ・メタル・アルバムに聴こえてしまうんですな、これが。
テクニカルなツインGが華麗に乱舞する中、ド迫力で突っ走る高速スラッシュ・ナンバー①④や、バラード調にスタートし、徐々に速度を増しつつ盛り上がっていくドラマティックな⑧といった楽曲は、まさしく良く出来た「LAAZ ROCKIT印」の名曲ですよ。
とは言え、本作が彼らのカタログ中随一のヘヴィさを誇っているのも確かで、マイケル・ローゼンが手掛けた重厚なサウンド・プロダクションの下、マイケル・クーンズのドスの効いたシャウト、肉厚なクランチ・リフを徹底的に刻みまくる2本のG、そして重量感溢れるリズム・セクションとが分厚い音の壁を築いてズンズンと迫り来る、ゲップが出るほどの濃厚さも健在。
ただ今回は“FIRE IN THE HOLE”級のキラー・ソングが収録されていない(=山場に欠ける)ため、従来作品に比べ、否が応にも「聴き疲れ」を意識させられる内容なのも事実なのだが・・・。
んなわけで、通して聴くよりも1曲1曲をピックアップして楽しみたい1枚かな。
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