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Fit of Anger / WRATH
火薬バカ一代 ★★ (2011-04-10 00:30:54)
'82年、イリノイ州はシカゴにおいてマイク・ナイルッカネン(G)とゲイリー・モディカ(B)を中心に結成された5人組パワー/スラッシュ・メタル・バンドが、'86年にGREENWORLD傘下のKING KLASSIC RECORDSから発表した1stアルバム。・・・と言っても、バンド的にはデモテープ用音源を無断で商品化された上に、ろくすっぽプロモーションもしてくれぬ内にレコード会社自体が倒産する等、本作に関しては余り良い思い出がないらしいが・・・。
それでも中身の方はなかなかの聴き応え。野卑なVoや荒々しいGリフの刻みはスラッシュ・メタル的なれど、スピードよりも展開重視の楽曲は正統派HM然としたドラマ性を湛え(要するにパワー・メタルってことか)、特にドラマティックなユニゾン・プレイを駆使してサウンドの中核を成すツインGコンビの仕事振りは、このバンド最大の弱点であるVoの非力さを補って余りある劇的さ。
取り分けB面サイドには良い曲が揃っており、ツインGがシャープに切り込んで来る⑥⑨⑩といったスピード・ナンバーのカッコ良さは出色。これでVoがもうちょいマシに歌えてたならなぁ・・・。
東欧ラジオ局のリクエスト・チャートにおいて最高第3位に食い込むという、凄いんだか凄くないんだかよう分からん(いや凄いのか)好成績を残したのも納得の1枚。
ちなみに本作は、'88年にリミックス作業やボーナストラック“SUDDEN DEATH”の追加収録といったお色直しを施され、新たな契約レーベルMEDUSAからリイシューされている。

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