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Scenes from Hell / SIGH
火薬バカ一代 ★★★ (2011-02-27 19:31:31)
去年ショックだった事と言えば、とうとう西新宿のDISK HEAVENが店を畳んでしまった事なのだが、そこの閉店セールで最後に購入した作品がこれでした。(しかし西新宿の寂れっぷりには歯止めがかからんなぁ)
所属レーベルのサウンドホリックまで店じまいをしてしまったため国内盤のリリースは見送られてしまったが、マスタリングをジェームズ・マーフィが担当し、絶叫型Vo、歪んだ音色のリフ・ワークからヘヴィ・メタリックなソロまでこなすG、そして、時にリード・セクションの役割を果たす大仰なオーケストレーションを纏って、ツー・ビート主体でスラッシュ/ブラック・メタリックに疾走しまくる楽曲群・・・と、その内容は前作『HANGMAN'S HYMN』の作風を順当に踏襲。
今やオーケストラを導入したエクストリーム・メタルは珍しくも何ともないが、本作がユニークなのは、弦楽器と同じくらいの比率で管楽器も導入されている点で、鳴り物がドラマティック且つ景気良く吹き荒れるパートはユーロ・プログレちっく(?)なカオスを演出。それでいて前衛的な雰囲気や小難しい印象がないのは、↑上で別の方が指摘されておられる通り、このバンド独特の木目細い感性で構築された、悲壮にして劇的なメロディの魅力ゆえか。
特に、スピーディな楽曲が揃った本編の中において、葬送曲的な暗鬱且つ禍々しいメロディとヘヴィネスが異彩を放つスロー・ナンバー⑤は、個人的に本編中において最も耳惹かれた名曲。

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