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Knights of the New Thunder / TNT
火薬バカ一代 ★★ (2011-02-04 20:21:00)
'84年発表の2ndアルバム。卓越したポップ・センスや劇的なメロディ展開等、後の作品で全面開花する要素を端々に垣間見せつつ、センス絶無のダサジャケに、メタリックな光沢を帯びて刻まれるGリフと、威勢のいい掛け声コーラスをフィーチュアしたハードな楽曲群etc・・・と、本作はTNTの全カタログの中でも飛び抜けて高い「北欧メタル度」を誇る。
メンバーのルックスも含め(サンバイザー・・・)未だ垢抜けない内容ではあるものの、逆にこの頃の彼らならではの魅力を湛えた1枚である事もまた事実。特に、ヴァイキング・メタルばりの重厚感とスケール感を有する①、初期EUROPEからの影響が伺える⑥、荒々しい⑨、勇壮なアルバム表題曲⑩といった楽曲は、格段に洗練されていく次作以降とは味わいを異する名曲だ。
それをより色鮮やかに彩るのが、テクと表現力、そして「華」を併せ持ったロ二ー・ル・テクロのGプレイと、アメリカ人ニュー・シンガー、ト二ー・ハーネルの存在。殊にハーネルの鮮烈な「超音波ハイトーン」は楽曲のグレードを高めるだけでなく、以降、長きに渡ってバンドの重要な看板としての役割を果たし、彼の加入によってTNTが一気に飛躍を遂げる事は後の歴史が証明する通り。
「D.D.ダイナマイト」なんてナウ過ぎる芸名を甘んじて受け入れたにも関わらず、バンドから追い出されてしまった前任シンガーの胸中を慮ると落涙を禁じ得ませんが、まぁそれはそれ、これはこれ。

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