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Coup de Grace / TREAT
火薬バカ一代 ★★★ (2011-01-06 21:49:50)
北欧メタルの代表的なバンドの作品はそれなりにチェックしていたが、なぜかこれまでTREATのことはノー・マーク状態だったので、本作(6th?)を最初に聴いた時は「正直このバンドのこと舐めてました、申し訳ない!」と、思わず手を突いて謝りたくなってしまった次第。
心を打つ哀メロや、絶妙なポップ・センス、分厚いボーカル・ハーモニーに包まれたキャッチーなコーラス・ワークを筆頭に、かつてのTREATらしさを十二分に保ちつつも、北欧メタル・バンドにありがちな「垢抜けないB級感」や「頼りない線の細さ」と一線を画すのは、曲作りの巧さはもとより、しっかりとした歌唱力を備えたVo、抜群のセンスでまとめられた良質なソロを紡ぎ出すG、腰の据わったビートを刻むリズム隊等、豊富なキャリアに裏打ちされた、確かな表現力とテクニックを身に付けたメンバーのスキルの高さゆえ。
特に、本編への没入度を高めるドラマティックなイントロと共にアルバムの開幕を宣言するOPナンバー②、ハードネスと哀メロ、それにキャッチーさが絶妙な融合をみた④、メロディの余りの憂いっぷりに眉毛が八の字になってしまう⑩、そして爽快極まりない⑪といった楽曲は、TREATファン(及び北欧メタル・ファン)ならずとも一聴の価値がある名曲じゃないかと。日本盤ボーナストラックを含めると全15曲も収録する長大さながら、殆どダレを感じさせない捨て曲皆無の充実っぷりには目を瞠るものがありますね。
タイプは大きく異なれど、ACCEPTの再結成アルバムと同等の凄味を感じさせてくれた1枚。

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