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カルマ / ムック
Usher-to-the-ETHER ★★ (2010-11-04 18:20:11)
2010年発表の9th。
インタビューによると、賛否両論を覚悟して作ったアルバムとの事ですが…
個人的には、少なくとも「志恩」「球体」よりは楽しめた一枚。
雑誌などでもかなり宣伝されている通り、今作ではダンサブルなビートを大胆に
導入していますが、今作の目的がムック特有の「へヴィでフレーズセンスのいい
ギターサウンド」や、「どこか郷愁を感じさせるメロディ」「達瑯氏の粘りのある
ヴォーカル」と合わせる事にあるなら、それは大成功と言えるのではないでしょうか。
実質2曲目の「フォーリングダウン」から、へヴィなリフとダンサブルなリズムの
絡み合いで心地よくさせてくれます。また、ピアノ主導の本格的にジャジーな曲、
ホーンを多用したアッパーな曲、ジブリ的な光景が浮かぶメロウな曲、歌詞を見ずに
聴いたら卒業ソングに聞こえそうなバラードなど、特に後半は多彩な曲調で
聴かせてくれ、物足りなさを感じることはないかと思う。間違いなく力作かと。
ただし、初期のようなドラマティックなメロディに欠けるのと、どうでもいいような
歌詞が多いのは擁護できないかも。別に絶望系でなくても、「夕紅」とか機微に
富んだ歌詞も、本来ならムックは書ける筈なんですが…。インタビューなどでは
メロディが大仰でないからこそ、肩の力を抜ける的なことも言ってましたが、大仰なメロディを
手玉にとって遊べるくらい、ミュージシャンとして成長してくれればいいのに…と思います。
どうも最近のムックは、インタビューで「今楽しい、過去辛かった」アピールをしたり、
特典が抱き枕や握手会参加券など女性ファンに媚びたものだったり、シングルで
カップリング違いの別バージョンを複数枚出したり、なんだか「シャバい」んですよね。
インタビューでも賛否分かれるとか言ってないで、「今回は新機軸を取り入れたけど、
文句言う奴等全員ねじ伏せるぐらい素晴らしい作品が出来た」くらいのことは言って欲しい。
せっかく良いものを創る力はあるのだから、もっとビシッとしてもらいたいです。
→同意