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Metal of Honor / T.T. QUICK
火薬バカ一代 ★★ (2010-10-04 23:31:21)
確かにウド・ダークシュナイダー・タイプのシンガーだったけど、まさか本当にACCEPTのニュー・シンガーに就任するとは思わなんだマーク・ト二ーロ(Vo)や、ザック・ワイルドのお師匠さん的存在として知られるデヴィッド・ディピエトロ(G)が在籍していたNY出身の4人組HMバンドが、'86年に発表したデビュー作。
プロデューサー/エンジニアとして、エディ・クレイマーにマイケル・ローゼン、RAVENのロブ“ワッコ”ハンターら錚々たる面子の名前がクレジットされている本作は、ヒステリックな金属的声質を活かして歌いまくるマークのパワフルなVo、ワイルドさと繊細さを兼ね備えたデヴィッドのG、そして骨太なビートを叩き出すリズム隊とが一丸となって、前へ前へと押し出してくるアメリカン・パワー・メタル・サウンドが全編に渡って炸裂。
アメリカのバンドらしい、シンプルでノリ易いロックンロール風味を強く漂わせつつも、それでいて決して能天気には堕とさない硬派な作風は、やはりNY出身バンドゆえか。
ド迫力のアルバム表題曲①や、アップテンポに駆け抜けていく⑧を筆頭とするアグレッシブな楽曲もカッコイイが、個人的にそれ以上に心惹かれるのが、劇的なヘヴィ・ナンバー④、T.T.QUICK流バラード⑦、そして熱くドラマティックに展開しアルバムを締め括る⑩といった、このバンドの優れたメロディ・センスが堪能できるメロウな楽曲の数々。ひとくちにメロウと言っても軟弱さは微塵もなく、「ガテン系親父の背負った哀愁」的なメロディの泣きっぷり、そして一音一音に熱いエモーションの叩き込まれた、デヴィッドのGプレイは胸に沁みるったらないやね。
THE RODS、デビュー直後のMANOWARやOVERKILLといったバンドがイケル口の方にお薦めする1枚。勿論、マーク・ト二ーロが歌うACCEPTの新作が気に入った人もどうぞ。

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