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恒例の・・・怪談
マダム理不尽 (2004-07-31 17:06:00)
これを怪談と言っていいのかわかりませんが、これまでの人生で最も恐ろしかった「恐怖体験」です。
自分はこの世で最も嫌いなものはゴキブリです。あの黒光り具合や素早やい動き、物陰に潜む習性、形、全てが嫌いです。生理的に受け付けません。何よりも存在の意味がわからない・・・。どうしようもなく怖いので、見つけても他の人に退治してもらうか、果てしなく逃げてました。物心ついた時から毎年、夏が来るのが凄くイヤでした。進学時はゴキブリから逃れるために北海道の大学に行こうと真剣に悩みました。
で、結局進路の関係で東京の大学に入学し、一人暮らしを始めました。夏のゴキブリ対策も万全を配して、ありとあらゆる進入経路をチェックし、防虫剤も不備なく完璧だったため、自分の部屋でゴキブリを見たことはありませんでした。
自分の隣の部屋には同い年の女の子がやはり一人暮らしをしており、特に会話をかわすこともなく日々生活していました。
ある夏の夜、11時くらいに自分の部屋にピンポ~ンってチャイムが鳴りました。誰だろうと思ってドアを開けるとそこには半泣き状態の隣の部屋の女の子が。「どうしたんですか?」って聞くと「お風呂場にゴキブリがいるんです。やっつけて下さい。」って言うではありませんか。
青ざめました。
でも、僕も男の子。女の子が困っているのに見過ごすワケにはいかず、「まかせてください。イチコロですよ!」と震える足取りで女の子の部屋の風呂場へ向かいました。恐る恐る風呂場のドアを開けると・・・いました、壁におっきいのが一匹。僕は生ツバを飲み込みつつ「うぉーっ!」って叫び新聞紙ではたきました。生まれて初めてゴキブリをやっつけました。人生の節目というか大人になった瞬間と言っても過言ではないくらいの達成感でした。
で、「やっつけましたよっ!」って女の子に声をかけようと振り向いたその時!
ブンブン円を描きながら飛びまくる物体がひとつ。・・・初めて見ました。飛ぶゴキブリ。
腰がガクガクきました。「神様、なんでも言うこと聞くからお願い助けて!」と心底思いました。
僕は半分気が狂ったというか泣き泣きな状態で一心不乱に新聞紙をふりまわし、偶然にもはたき倒すことができました。
この場を一刻も早く立ち去りたい僕は、震える足取り、ガクガクな腰つきで帰ろうとした
まさにその時、一人の男の人が女の子の部屋に入ってきました。
女の子は泣きながら「怖かったよ~」ってその男の人のもとへ走って行きました。彼氏でした。僕に「ありがとう」の一言もない彼女と「お~よしよし」と女の子をなだめる彼氏。
・・・東京って怖いってマジで思いました。
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