この曲を聴け! 

今のカヴァーブーム
2Y1Y1Z2 (2010-06-08 20:08:00)
ジャズスタンダードや多くのアーティストにカバーされている曲を聴き比べると、
楽曲を活かすために如何にアレンジメントが重要であるかを痛感させられるんですよね。
Jeff BuckleyのHallelujahなんか、原曲の多幸感あふれる曲調から逸脱した、
アルペジオのみの地味なアレンジですが、初めて聴いたときの感動が未だに褪せませんから。
「この曲はジェフが歌うためにあったんだ、楽曲が本来あるべき持ち主の手に収まったんだ」
と感涙したのを覚えています。作曲者(コーエン)には申し訳ない話ですが…(笑)
逆に、曲がより良くなるであろう方向性が残されているというのに、
既成のアレンジのみでとどまっている楽曲というのも多いはずなんですよ。
中島みゆきの「空と君のあいだに」なんか、珠玉の美しいメロディと抑揚を心得た構成の優れた楽曲なのに、
アレンジメントはというとフワフワしたシンセが始終鳴ってるだけなんですから。曲の魅力が減殺、どころの話ではありませんよ。
今でも「サビでは聴き手が恥ずかしくなるくらい大仰に盛り上げるべき楽曲だろ!」という義憤(?)に捕らわれます。
すこし刺々しくなってしまいましたが、トリビュート盤など聴くと、
参加者が心から楽しんで、真剣にアレンジをやってるんだなぁという感触が伝わってきて、頬がほころぶんですよね。
NINのリミックス盤なんかも、一聴しただけで誰が編曲したのかもわかるようなアレンジがあったり、
逆にアーティストへの先入観からは想像もつかないようなアレンジが為されていて驚いたり、色々な発見があるわけで。
その結果で優れたカバーバージョンというのが生まれてくるのではないかな…と思っています。
要は楽曲への愛とアーティストへの敬意、何よりアレンジャーの創作意欲ですね。
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