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THE END OF THE CENTURY / 聖飢魔II
火薬バカ一代 ★★ (2008-08-12 22:06:00)
エリック・アダムスばりの大仰さを誇る、デーモン小暮のシアトリカルなVo(ルックスは和製キング・ダイアモンドだが)、
随所で劇的なハモりっぷりを聴かせてくれるツインG、そして、デビュー作より格段にダイナミズムを増したリズム隊・・・と、
初期・聖飢魔Ⅱの集大成的作品と呼ぶに相応しい内容に仕上がった、'87年リリースの2ndアルバム。
バンドの創始者(でも既に脱退済み)ダミアン浜田が手掛けた、ドラマティックな様式美HMチューンの数々も、
ますます磨き上げられて、その完成度を高め、荘厳でクラシカルな序曲①に導かれてスタートするアルバム表題曲②に始まり、
ダイナミックで物騒なメタル・アンセム風の③から、中期BLUE OYSTER CULTに通じる詩情を漂わせた美しい④、
“切り裂きジャック"のタイトル通り、鋭利なGプレイに痺れる⑤を経て、聖飢魔Ⅱというバンドの魅力を端的に表した彼らの代表曲⑥、
妖しく不気味な⑦、そして、ラストをアグレッシブに締め括る、猛烈なスピード・ナンバー⑧に至るまで、全編、これ一切の捨て曲なし。
CDのみのオマケとして、曲の頭にはデーモン小暮による愉快かつホラーな「語り」が、あたかも辻説法の如く(閣下談)収録されていて、
本編に濃密に漂うサタニックな雰囲気の盛り上げに大きく貢献している。これぞまさに「デーモン新歌劇」!
今の耳で聴き直すと、サウンド・プロダクションの弱さは如何ともし難いものの、聖飢魔Ⅱというバンド名から
想起されるイメージを全く裏切らない収録曲の数々は、彼らのアルバムの中でも1、2を争うクオリティの高さを誇り、
個人的には、聖飢魔Ⅱ未体験者には先ず本作をお薦めしたいぐらいお気に入りの1枚。ジャパメタ史に残る名盤でしょう。

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