この曲を聴け!
Distressed Soul / Timystery / SABER TIGER
ゴリャートキン ★★★ (2008-07-14 15:00:29)
幻のデビューアルバム「AGAIN」(89年に制作されるも、メンバー脱退によりお蔵入り)収録曲の「Sight」の改作。
キーを上げ、歌メロと歌詞を久保田が新たに付け直している(「Sight」は現在、VAPから再発された「PARAGRAPH」のボーナス・トラックとして聴くことが出来る)。
また、下山が歌い直した「PARAGRAPH 3」のバージョンは「Sight」と同じ、低いキーとなっている(渡辺徹時代にもタイトル/歌詞違いの別バージョンが存在するとのこと)。
5人編成時代は、ギターの木下と田中とが半数ずつ楽曲を持ち寄っていたが、このアルバムの時は田中の曲作りの遅れもあり、急遽この曲が追加されたらしい。
すでにあった曲だが、歌メロと歌詞を作り替えられて世に出たのは偶然だったと言える。
俺がSABER TIGERを好きなのは何よりも木下昭仁の音楽に魅了されているからである。
原曲の「Sight」も素晴らしいし、「AGAIN」でSABERがデビューしていたらどうだったかと夢想する。
「AGAIN」の完全バージョンが聴きたい、と強く思う。
しかし、そうした諸々の想いを超越したところに、我らが美しき「Distressed Soul」が存在する。
勇壮な行進曲調の三連リフ、アルバムジャケそのままの曇天のような沈んだムード、鮮やかに鳴り響くギターの音色・・・。
オリジナルのメロディはすでに一級品だが、しかしまた別の素晴らしきメロディを作った久保田の才能は圧巻だ。
もちろん歌唱も素晴らしいが、これだけのソング・ライティングの能力があることはもっと世に認知されて欲しいものだ。
熱い下山バージョンも好きだし、胸締めつけられる「Sight」の好きだが、キーを上げて鮮やかさの増した久保田バージョンが堪らなく好きで、
しばらくこの曲ばかりを聴いていた時期があった。
とにかく聴いていて飽きない、歌にもギターにもフック満載の曲だ。
もしSABER初心者用にベストCD-Rを一枚作るなら、この曲が1曲目というのも一つの手だ。
また、SABERのギターソロはどれも甲乙付けがたいが、もしかしたらこのソロが一番かも知れぬ・・・それほどの出来である。
ANGEL時代(2005.5~2008.1)にはライブのレパートリーだったが、今後も封印されないことを望みたい。
→同意