この曲を聴け! 

BLUE MURDER
レナリス ★★ (2005-02-05 02:14:00)
今更ながら「BLUE MURDER」聴きました。
定価で購入しましたが「この倍額出して買ってもまったく惜しくないアルバム」と
ここにはっきり記しておきたいと思います。
このアルバムはサーペンス・アルバスと比較されるようですが、サーペンスほど
万人受けする内容ではないと思います。どちらかと言うと(一般的に見ると)
「男心を鷲掴みアルバム」だなという感じを受けました。ロック(音楽)を感性を研ぎ澄ませてしっかり聴くタイプの男性なら、魅了される事間違いなしなのではないかと。
それぐらい素晴らしい要素の集合体です。ところが、少しロックをたしなむ彼女などに「これ、名盤だよ!聴いてみろよ」と薦めてみると「暗い・湿っぽい・重い・わかり辛い」などの厳しい言葉が返って来るかも?うん、やっぱりこの音、このカラーは男がしびれる性質を多大に含んでいる。
それにしても、このアルバムには本当に参りました。もう、色んな意味で意表をつかれたというか…。一時期この海賊はネット中古屋で500円とかで出ているのを
目撃していたので、正直ちょっとナメてかかり過ぎてました。自分の浅はかさを心底反省しましたよ。馬鹿でした。
まずサイクスの声ね。実はこれが一番心配でした。そういう方、他にもおられたのではないでしょうか?「うまいであろう」という期待ももちろんしていなかったけど、ギターのイメージからすると、結構低くて太い声で雄々しく、あまり伸びない声質なんじゃないかと、勝手に想像していたのです。
でも1曲目の「RIOT」イントロで♪Yeah~Yeah、Yeah~!♪と叫ぶサイクスの声は、カヴァデールよりベースが高くてびっくりでしたね。
トーンの高さ以上に驚いたのは、彼がちゃんとハードロック気質な声を持っていた
事。ギターもヴォーカルも見事にロック。いいのでしょうか、サイクスはこんなにカッコ良くて…。彼の歌を「うまい」と呼んでいいのかはよくわからないけど。
すべてを跳ね返して行くような力強さで言えば、やはりカヴァデールのヴォーカルの方が優れている。でも、サイクスの歌はCDを聴く前にファンが設定していたラインを
遥かに越えて来た事は確かではないかな?だから「おおっ!!」って衝撃が走った。もちろん私もそのひとり。聴く者に訴えかけるムードも十分に持っており、いい声だと思います本当に。「カヴァデールより好きにはなれないのでは?」と思っていましたが、今は悔しい事に、ちゃっかりハマッてしまってます。なんでヴォーカルが決まらなかったからって、うまい具合にちゃんとサイクスがリードで歌えるんでしょうね?でき過ぎですよね、彼は!(尊敬)
このアルバム、いわゆるキャッチーではありませんが、1曲1曲が非常に奥深いですね。曲の構成やアレンジセンスが、全曲すごい!だから「メロディいいな」とかじゃなく、音作りの方をつい聴き込んでしまう。凝ってますねえ、味がありますねえ…!!曲調や出してる音だけが重いのではなく、中身(質)からしっかり重厚なんですね。それに心を奪われるのです。だから、満足感が長期持続する。
BLACK MURDERさんが上にて「ベースにも耳を奪われる」と書いておられるけど、その通りで、その事がまた「すごい」と思えた。私はギターの音色が大好きなので、時に歌よりギターに耳が行ってしまうほどです。でもこのアルバムにはサーペンス以上と言っても過言ではないほど、サイクスの素晴らしいギターがあふれているにも関わらず、結構そのサイクスギターをつき抜けて、フランクリンのベースに耳が行ってしまうのです。これはかなり衝撃的でした。カッコいいよね、
海賊のベースは!!
捨て曲がないのも驚いた。皆さんよく、ちゃんとランキング出せるなあと感心してしまいました。私など、1回目から「全曲いいんだけど…」と思ってしまいまし
た。
なるほど、2位にランクインしている「OUT OF LOVE」とはこういう曲だったのか。あえてまだ皆さんのレビューは覗いていないのですが、ね?この曲なんかもやはり「男のバラード」っていう感じがするのです、個人的には…。女性だったら「「IS THIS LOVE」の方が好き~!」と言いそう。でも2位になるのもわかるな。イントロのギターから既にヤバい感じです(泣)で、またこの曲のサイクスのヴォーカルはすごくいいではないですか。デビュー当時の、まだガナリ立てる前のジョン・ボンジョヴィがこういう高い声で、こういうねっとり目な歌い方をしていたような…(「RUN AWAY」の頃)
「Sex Child」は途中で「Still Of The Night」になりますよね(笑)でも
またこの曲の構成がカッコいいですね。何ていうか…海賊はメロでファンをつかむというよりはアレンジを何ともドラマチックにダイナミックに持って来ますねえ。
音楽界ではやはり何だかんだ言って「キャチーである事」は強い。瞬時にして人を引き付ける。だから「サーペンスには叶わないんじゃないか」と思っていました。
でも…「BLUE MURDER」がサーペンスより下だとは…私には言えないと思った なぁ…。まあ、好みは人それぞれだとは思うのですが…。
もう、全曲語りたいところですが止まらなくなりそうなので、この辺にしておこう。でも定価で買っても本当に良かった!!!

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