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Exhibit B: The Human Condition / EXODUS
火薬バカ一代 ★★ (2010-08-01 21:12:00)
久し振りにメンバー・チェンジなしで制作、'10年に発表された9thアルバム。
「人類の残虐行為」をテーマに据えた、7th『THE ATROCITY EXHIBITION(EXHIBIT A)』と対を成すコンセプト作
ということで、基本的には前作の作風を受け継ぐ、殺伐とした空気が充満するスラッシュ・アルバムなのだが、
テーマがテーマなだけに「重苦しい」「キャッチーさに欠ける」と賛否が分かれた『EXHIBIT A』に比べ、
こちらは疾走感3割増しの上、ゲイリー・ホルトとリー・アルタスのGコンビが、前作以上に華麗にして流麗な
ツイン・リードを随所で炸裂させまくっているため、取っ付き易さでは本作の方に軍配が上がる。
「EXODUSの声」として益々凄味を増したロブ・デュークスの肉食獣シャウト、独特の音色と切り口で刻まれるGリフ、
高揚感を生み出すリズム、それに正統派へヴィ・メタリックなツインGとが抜群のコンビネーションを発揮して
畳み掛けて来る、キレとノリの良さを併せ持つ①②④⑤⑧といった疾走曲のカッコ良さはこのバンドならではで、
②⑧なんぞ、聴いていてテンション上がり過ぎて、血管がぶち切れるかと思いましたよ。
通常のスラッシュ・アルバム2枚分に相当する、70分超の収録時間は明らかに詰め込み過ぎだし、
楽曲の中にはもっとストレッチ出来たのでは?と感じさせられるモノもあるにはある。また「南京大虐殺」を
題材に取ったヘヴィ・チューン⑦の対訳を載せないレコード会社の腰の引けた姿勢も気に食わないが、
そうした諸所のマイナス点を差し引いても、本作のクオリティの高さはやはり脱帽モノ。EXODUS凄し。

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