この曲を聴け!
Reptilian / KEEP OF KALESSIN
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2010-05-26 19:28:00)
2010年発表の5th。
国内に入荷される前に、海外のレビューを見てみると、どうも芳しくない評価もあったので「まさかKOKが問題作を!?」と身構えましたが…順当に最近の作風の流れを汲んだ新作ですね。
前作までと比較して、リフが更にデスラッシュ寄りになったこと、シネマティックなキーボードや、ノーマルヴォイスでの歌い上げがごく自然に取り入れられている事などから、より脱アングラ・メジャー志向の図式が明確になった作品だと思います。
バンドロゴも、映画のタイトルに使われるようなフォントになってますし(笑)。
ただ、やはり作風がメジャーになっても、Obsidian C氏のギターワークと、Vyl氏の鬼神ドラムによる、エクストリーム・メタル界の至宝とも言うべきアンサンブルには些かの翳りもないですね。マジに達人同士の斬り合いって感じです。ここまで聴きやすさと、アンサンブルの凄絶さを両立させたアルバムは他にないのでは。
ただ、音質はBEHEMOTH等に携わった人がミックスをしている割には、少し重さが足りない気も。豪快なだけでなく、繊細さもあるアンサンブルを引き立てるためかもしれませんが、もう少し重くていいと思う。
おそらく、海外レビューでの批判の多さはブラックのアングライズムが、いよいよもって本格的に薄れてきたからではないかと思います。でもこの作品、曲がもうブラックの邪悪さやアングライズムを必要としていないように感じるんですよね。DIMMUやCRADLEが作風がメジャー過ぎて苦手な人には、この作品も合わない可能性も。
ただ、エクストリームメタルのかっこよさを体現した作品だと思うので、激しいのが全くダメな人以外には、全メタラーに推薦。特に最近のメタルコアなどを好んで聴いている、若いメタラーには是非聴いて欲しいです。
→同意