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Demonoir / 1349
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2010-05-13 19:39:00)
2010年発表の5th。
前作で見せた、ファストブラックからアンビエント寄りのブラックへの
変化は、ブラック好きの間でも賛否あった(というか、見る限り
否定的な意見も多かった)ようですが、今作はFrostの豪速ドラムを
軸に、それに絡む、時に音の壁を構築するようなヘヴィさや、
時に流麗さすら感じるテクニカルさを感じさせつつ、悪霊じみた
メロディのトレモロを挟むギターワークという、3rdまでの
アンサンブルが大分戻って来た感じがありますね。
速いだけでなく、体感速度の速さやテンションの高さを感じさせる、
Frostのドラミングはやはり最高。ブラックのドラマーの中でも、
「ロックしてる」人だと思います。
ただ、曲間にダーク・アンビエント的な小曲を挟む構成、
トレモロリフが(3rd以前より)少し減り、オールドスクールさの
強くなった曲調、バンドサウンドに僅かに絡められた
サンプリングなどにより、前作で追求した粘液質な邪悪さを、
ファストさを揺り戻しながら今作でもまた追及しているという印象。
語りを交え、もがき苦しむようにがなったり、喉が擦れるような
絶叫をしたりと、表現力の上がったRavnのヴォーカルも、
邪悪さの追求にかなり貢献してますね。相変わらず鋭い声で素晴らしいです。
個人的には、KEEP OF KALESSINやINFERNAL WARなど同様、
非ブラッカーのメタラーにも聴いて欲しい作品。
特にこのアルバムは、豪速で絡み合うギターリフと
ドラミングにはメタルの本質ともいえるアンサンブルの
かっこよさが息づいてると思うし、それに加えてブラック特有の
カルト性も強く感じられる。多少音質に癖はありますが、
ある程度メタルを聴いた人がブラックに入るにもうってつけの
作品なんじゃないかと思います。
→同意