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Infected Nations / EVILE
火薬バカ一代 ★★ (2010-03-14 00:34:00)
荒々しい攻撃性と湿った構築美を併せ持つ、如何にも英国的なスラッシュ・メタルを聴かせてくれたデビュー作に比べ、
疾走感が減じた分、ヘヴィネスとメロディが増量され大作感を強めた楽曲といい、スラッシュ馬鹿的な
ファニーなノリが薄れ、シリアスさを増した歌詞の数々といい、かなり大胆に変化を遂げた作風が賛否両論を呼んだ
'10年発表の2ndアルバム。なんつーか、デビュー直後のMETALLICAが2ndと3rdをすっ飛ばして、
いきなり『・・・AND JUSTICE FOR ALL』を作っちゃったような感じの作品ですね(?)
特にラストに置かれたインスト・ナンバー⑩は、やや冗長ながらも多彩なアイデアが盛り込まれた10分越えを果たす
大作曲で、これを聴くと、このバンドが目指すべき音楽的到達地点をかなり高く/遠くに設定している事が分かり、
頼もしく思える反面、ボンクラ・メタラー的には置いてけぼりを食ったような一抹の寂しさを覚えたりも。
尤も、手数の多いGリフが猛然と疾駆する①、緩急を飲み込んだ③、ストレートなスラッシュ・ソング⑦のような
前作の面影を残す楽曲も収録されているし、これまで以上に練り込まれ、曲中の大きな聴き所として
機能しているGソロの存在もあって、決して退屈する作品というわけではないのだが。
ただ個人的には、オマケ収録された笑撃の日本語スラッシュ⑩と、PANTERAの名曲“CEMETARY GATES"の
カヴァー⑪で、本編の印象が完全に霞んでしまった感あり。取り分け⑪はなかなかの出来栄えで、
マット・ドレイクはクリーンVoでの歌い上げも結構イケてますね。どうせなら本編でも活かせば良かったのに。
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