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Dimensional Bleedthrough / KRALLICE
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2010-04-26 18:05:00)
2009年発表の2nd。

曲の殆どをトレモロで弾き倒しているだけだというのに、明らかにテクニカルで、劇的な世界観を演出してしまうスタイルの前作には、「驚愕」レベルでの衝撃を受けたんですが…今作もその路線を継承、またもトレモロフェチにはたまらない音源になってます。

特殊なギターを使用しているらしい、独特な音色のトレモロももちろん引き継いでます。前作と比べると、ギターだけでなくドラムもテクニカルで攻撃的なフレーズを叩いていたり、懸念材料であったヴォーカルが凄みを増していたり、カオティックなメロを紡ぐアルペジオもあったりして、ブラック本来の攻撃性や邪悪さが揺り戻されている印象。

前作は、儚いメロやミニマルな展開など、シューゲイザーに通じる=メタルから離れた価値観も取り込むことで独自の世界を構築していましたが、今作は一周回って攻撃性や技巧など、エクストリームメタル本来の魅力も更に強調されているような印象を受けました。

個人的に、この作品って伝統芸能とか、アートロックに通じる近寄り難さを感じるんですよね…自分達が崇高で芸術的な音楽を演っていることに、誇りと確信を持っているような感じ。まあ、本人達がどう思っているかは分からないし、崇高さや芸術性はともかく、それらにしばしば付随する難解さはあまり無いですけど。

前作同様、聴けば「トレモロリフの魅力とは何か」が良く分かる名盤。
ただエンディングだけは正直嫌いかも。頭痛くなるんですけど…。

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