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When Death Comes / ARTILLERY
火薬バカ一代 ★★ (2009-08-29 23:50:00)
ARTILLERYが'91年に発表した3rd『BY INHERITANCE』をこよなく愛する身としては、初期ブルータル・スラッシュ路線の
復活作『B.A.C.K』は諸手を挙げて絶賛できる内容ではなかったのだが、そんな彼らが10年ぶりに新作を発表、
しかもそれがどうやら『BY~』の頃を彷彿とさせる作風に仕上がってるらしい・・・・と聞いては否が応にも期待が
高まり、それこそ嬉し涙の海で溺死する覚悟を決めて本作('09年、5thアルバム)を購入したのですが・・・。
ARTILLERYのトレードマークである、独特の動きを魅せる手数の多いGリフは健在だし、本編のそこここで聴かれる
東洋風味のメロディは確かに『BY~』を思い起こさせる。——んだけれども、その割に、繰り返し聴いても
今ひとつ己のメタル魂が鼓舞されないのは、歌メロが余りにも普通過ぎるせいかな、と。
ツインGのみならず、フレミング・ロンズドルフが歌う妖しくコブシの効いた歌メロの魅力も、あのアルバムの
特異な個性の醸成に一役買っていたように思うのだが、それに比べると本作で聴かれる歌メロはストレートな
スラッシュ/パワー・メタル路線で、楽曲が3rd風なだけに余計違和感を覚えてしまう。(我ながら度し難い話ですが)
尤も、『BY~』と切り離して評価すれば、本作は間違いなく優れたスラッシュ・アルバムだし、より正統派な歌いっぷりを
披露する新Voの歌唱力も十分。(魅力的な歌メロも端々で聴くことができるし)。特に劇的なOPナンバー①、
アコギを有効活用した一際メロディアスな⑥、そしてどことなく“KHOMANIAC"を彷彿とさせる⑨といった楽曲は、
このバンドでしか作り得ぬスラッシュ・メタルの名曲でしょう。
難儀な3rd信者の愚痴は脇に置いておいて、スラッシュ・メタル・ファンなら素直に「買い」の1枚。
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