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Gorgeous Soul / SILVER TORNADO
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2009-07-08 23:16:00)
2009年発表の2nd。イントロを含む6曲入り。

ショップでの「可憐な女性ヴォーカルをフィーチャーした国産シンフォメタル」との紹介に惹かれ、購入に至ってしまいました。…1曲目のイントロからキーを巧みに使った、少しチープながら壮大な音作り、主旋律だけでなく副旋律もしっかりクサいメロディ、ちょっとしたパーカッションによる雰囲気作りなど期待させまくり、ハードル上げまくり(笑)な感じなんですが、本編もその高い期待のハードルを軽々超えるような素晴らしいシンフォメタルを聴かせてくれてますね。

様式美的なストリングスやオルガンだけでなく、電子音やブラスなど多彩な音色によるキーボードが、ギター以上に活躍する煌びやかで派手な音なんですが、このバンドの作風はシンフォになるあまりポピュラリティを失ったりせず、あくまでポピュラー音楽であることを前提に、シンフォニックなメタルを演っているような取っ付きやすさがあると思います。

売りの女性ヴォーカルも、ソプラノの音域とポップスの歌い方を合わせた感じで、前者の格調高さと後者の親しみやすさを合わせ、「可憐さ」に昇華した感じでかなり良いです。2曲目のハイトーンなんかはかなり痺れる。そのヴォーカルが紡ぐメロディも、ポップス/アニソン的な大衆性よりもSOUND HORIZONやASRIELなどの同人系アーティストに通じる華やかさ、派手さがあって凄く好み。「Eternal Blue」期のETHERがメタル化し、キーの音色を増やした感じというと近いかも。

…クオリティは充分に高いんですが、個人的にはこのアルバムって良い意味で同人的、それも駆け出しのアーティストっぽさがあると思うんですよね。全編通じて好きなことを演ってる感じ、バランスを考えて出し惜しみせず、1曲1曲に全力投球している感じ、自分達の作る世界観に自分達自身がしっかり酔えている感じからそういう印象になるのかもしれません。
これだけの曲を作れるんだし、これから大きくなる可能性も十二分にあると思いますが、そういう感じは絶対に無くさないで欲しいですね。活動が長く続くにしたがって、それらが失われていくバンドが余りに多いので…いちリスナーが言うのはおこがましいんですが、ベテランバンドが聴いたとしても何か得るものがあるアルバムなんじゃないかと思います。

ぶっちゃけバンド名やアルバムタイトル、キャッチコピーのセンスはちょっといまいちだと思うし、ヴォーカルのミックスなど改善すべき点も多いんですが、かなりお勧めのアルバムです。Black-Listedの女性Voメタルリリース、国産シンフォゴス、クサメタル辺りが好きな方は是非。

→同意