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Frame / DGM
火薬バカ一代 ★★ (2009-04-29 21:49:00)
リリースする作品のクオリティの高さに反して、頻繁に繰り返されるメンバー・チェンジのせいでバンドの実体が
ハッキリしない事が足を引っ張り、日本では今ひとつマイナーな地位に甘んじているDGMが'09年に発表した7thアルバム。
今回は遂にティッタ・タニ(Vo)が脱退。オリジナル・メンバーではないものの、3rd『DREAMLAND』加入以降、
その見事な歌唱をもってバンドの「格」向上に大きく貢献してきた存在だっただけにショックも一入だったのだが、
このバンドの凄いところは、こうしたドラスティックなメンバー・チェンジが作品の質に何ら影を落さない点だ。
ネオクラシカルなテイストや、クサメロの類がほぼ姿を消し、ファンキーに跳ねるリズムやトランス調のKey等、
モダンなアレンジの数々が積極的に取り入れられている本作だが、ヘヴィ・メタリックな疾走感、流麗なKeyとGの
火花散るバトル、劇的に練り上げられた曲展開、そしてフック満載の叙情メロディといった、DGMならではの魅力は相変わらず
しっかりと保持。何より洗練の度合いを一気に高めたサウンドからは、本格派プログレHMバンドとしての貫禄すら漂ってくる。
特に「掴みはOK」な、スリリング且つドラマティックに疾走する①②、大仰なオーケストレーションとエキゾチックな
メロディを纏ったインスト曲⑤、強い求心力を備えたキャッチーな哀メロが炸裂する本編のハイライト的存在の⑥⑧
といった楽曲は、アルバムの完成度の高さを端的に物語る名曲に仕上がっているのではないかと。新Voマーク・バジルの
パワフルな歌唱も見事。(正統派のハイトーン・シンガーだったティッタに対し、こちらはブルージーな歌い回しがその持ち味か)
うーん、一度で良いからライブが見てみたいなぁ。

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