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The June Frost / MOURNFUL CONGREGATION
Usher-to-the-ETHER ★★ (2009-01-22 22:02:00)
2009年発表の3rd。
前作とは対照的な、真っ白なジャケがなんか意外な感じ…。
「フューネラル/モーンフルドゥーム屈指の名盤」として讃えられている前作ですが、
個人的には曲自体は素晴らしいと思ったものの、引きずる重低音ギターの音の小ささや
それと比べてアコギが大きすぎな音のバランスなどがいまいち好きになれなかったんですが…
今作はその欠点を見事にクリアした、実に重厚な音像になってますね。
「The Slow March to the Burial」のズンズン刻むパートなどはこの音あってのものだと
思うし、全体的に世界観に引き込んでいくパワーも上がっていると思うしで嬉しい限り。
曲数こそ前作の倍なものの、「ドゥームは心臓の鼓動が遅い者達の為の物だ」という
ステイトメント通りのスローなリズムの中、悲哀に満ちたメロディを丁寧に紡いでドラマ性を
演出する基本的な路線は変わらず。
このバンドは他の葬式ドゥームと比べると、メロディの傾向が鬱、絶望よりも「哀しみ」の
度合いが強いように思います。帯には「フューネラル」ではなく、「モーンフル」ドゥームと
ありますが、確かに葬式のような儀式的な感じよりは、自然の情景が浮かぶ感じですね。
嘆きの集団(=Mournful Congregation)が、夕暮れの海にゆっくり帰っていくような…。
「Suicide Choir」のクワイアが入るパートなんて、自分の個が消えてなにか大きな存在へ
回帰していくような雰囲気だし。ああ、これで楽に…な…れ……る………。
曲展開は遅いもののドラマティックだし、全編にメロウなギターソロをフィーチャーした
「The June Frost」みたいな曲もあるし、葬式系の中ではドゥーム好き以外のメタラーにも
アピールできそうな音だと思います。値段も1500円と良心的ですし、まだこの手の音楽を
聴いた事のないメタラーも試してみてはどうでしょう。

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