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THE PYLON OF INSANITY / HARROW
火薬バカ一代 ★★ (2009-01-08 22:42:00)
'93年に自主制作したEP『THE RISING PHENIX』が評判を呼び、ドイツのNOISE RECORDSとディールを交わした
オランダの5人組HMバンドHARROWが、スヴェン・コンクエストをプロデューサーに迎えてレコーディング、
'94年に発表した(本邦デビュー作ともなった)1stフル・アルバム。
VICIOUS RUMORSやMETAL CHURCHからの影響が伺える、ダークでドラマティックなパワー・メタル・サウンドは
デビューEPの作風の延長線上にあるが、今回は'94年という時節柄、よりへヴィさに拘った内容に仕上がっており、
特に、肉厚な鉈の如きGサウンドと、重厚感をいや増したリズム・セクションにその拘りが顕著に表れている。
とは言え、へヴィネス一辺倒に陥ることなく、疾走曲を要所に配し、叙情メロディにもちゃんと気を配っているのが
このバンドの良い所で、VICIOUS RUMORS風のドスの効いたパワー・チューン⑦や、アコギも取り入れたヘヴィ・バラード⑨、
メロディックに疾走するパワー・メタル然とした⑩等は、まさにこのバンドならではの魅力に満ち溢れたナンバー。
ヘヴィネスが増量された分、歌メロのフックの弱さが浮き彫りになってしまった印象があり、長大な収録時間と併せて
通して聴くとややダレるのが残念だが、不思議と嫌いにはなれない1枚。

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