この曲を聴け! 

遥かなる契り / DRAGON GUARDIAN
Usher-to-the-ETHER ★★ (2008-08-19 21:38:00)
2008年発表の個人的に大期待してた2nd。
どの位期待してたかというと…入荷の3日くらい前からDISK UNIONや同人音楽を
取り扱ってる店を毎日覗いて、入荷されてるかチェックしてたくらい(笑)。
シンフォなメロスピを軸に歌謡曲/アニメソング的な歌メロ、SOUND HORIZON的な語り、
RPG的な世界観のコンセプトを取り入れたスタイルは前作同様ですが、今作では音質や演奏、
ヴォーカルの歌唱力など、メタルとしての根本的な部分を大幅に強化した感じですね。
今作でヴォーカルを取るMyrthaさんの声は、メタリックに歌ってるときの(陰陽座の)
黒猫さんに近いものがあるかもしれません。
こうした要素によって、メロのクサさにかまけてリフやオブリを疎かにしないという美点が
前作よりも更に際立ったように思います。特に「圧政の指揮者」のキーボード等は素晴らしく、
このアルバムを最初に聴いた時は外でウォークマンで聴いてたんですが、それにも関わらず
「おおー…」と喝采の声が出てしまいそうになったほど。
音自体は間違い無くA級にレベルアップしてると思いますが、余りにも大袈裟な語りが
あったり、説教してたキャラがあっという間に説得されたり、ちょっとB級っぽい部分が
残ってるのもまた魅力ですね。物語は複雑になってるようで、主人公が帝国の反勢力に
与してたり、いかにもRPGなアイテムが出てきたりやっぱり根幹は王道っぽい。竜も出るし(笑)
王道RPGなら「帝国」と来たら理不尽な略奪者で敵役、これは基本ですよね~(笑)
ただ、肝心の歌メロは、妙に壮大(≒ゆったり)になってしまった感じがして物足りない。
例えば勇者アーサーさんも褒めてた「(天空の城ラピュタの)君をのせて」は、例え歌メロだけ
単旋律のピアノで鳴らしてもクサメタラーに電撃を走らせる程のクサさだと思いますが、
歌メロのみを見た場合、今作にそれほどのパワーのあるものがあるとは正直思えない…です。
はっきり言って、歌メロはSOUND HORIZON辺りと比べると今作は今一つだと思う。
バックがかなり強化されてるので、それとの兼ね合いなのかもしれませんが、ここまで
思い切った音楽性を打ち出してるんだから、メタルとしての完成度よりも「サンホラも
ジブリ主題歌もまとめてぶっ潰してやるぜ」くらい、特に歌メロのクサさには拘って欲しい所。
個人的に、このバンドの最大の美点は妥協の無いメタルに他のメロスピではありえないくらいの
どキャッチーな歌メロが乗るところだと思うので…。
前作がメロスピと歌謡曲/アニメソングのクサさを掛け合わせた新奇さで話題性を獲得した
作品だとしたら、今作はメタルとしての完成度を高め、地盤を固める為の作品なのかもしれません。
いろいろキツく書きましたが、それだけ期待してもいるんですよね。この音楽性で
SOUND HORIZONやジブリ主題歌レベルの歌メロがあればマジで最強だと思いますもん(笑)

→同意