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Wreath of Thevetat / ALGHAZANTH
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2008-11-10 19:30:00)
2007年発表の5th。

北欧メロブラ特有の寒々しくメロウなリフを主軸としたバンドサウンドを、魔の光が差し込むような神秘的な音色のキーボードで包み込んだシンフォニック・ブラックで、私が思う「シンフォニック・ブラックの王道」な音。でもこの界隈の有名バンドを見渡してみると、COFはゴシック的ホラーな雰囲気、DIMMU BORGIRはメタリックな硬質さ、ANOREXIA NERVOSAは圧倒的なスケールの大きさに任せたブルータリティなどのウリがあったりして、案外こういう「北欧メロディックブラックの感性で」シンフォニック・ブラックを演っている王道のバンドっていうのは貴重なんですよね。

音質面でもクリアながら、どこかブラックメタル特有の繊細さやアナログ感(生々しさ)の感じられる音作りがなされていて、やっぱり根底の価値観がヘヴィメタル/エクストリームメタルではなく、あくまでブラックメタルにあることを感じさせてくれます。憎々しげにデスヴォイスを吐き出すヴォーカルも迫力があって良い(P行、B行の勢いのある発音がかっこいい・笑)し、変な聴きづらさのない音質やメロディックなリフなどもあってかなり取っ付きやすい作品だと思います。基本的な質も当然のように高く、7曲目なんかはベテランならではの確信に満ちたどす黒さを放ってると思います。

シンフォ好き、メロブラ好きなら必聴でしょう。個人的には、「これがシンフォニックブラックだ!」というお手本のようなアルバム…と言っても過言ではないくらいの作品だと思います。

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