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Melancholie² / COLDWORLD
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2008-05-01 02:00:00)
2008発表の1st。
タイトルの「2」は本当は2乗みたいな表記です。

一言で言うなら、XASTHURやVINTERRIKETの良いとこ取りをしたサウンド。シンセがバンドサウンドを包み込む、アンビエント寄りの音像や寒々しい情景を描写するメロディはVINTERRIKETにかなり近いですが、こっちの方が疾走も多くバンドの音が強めで、トレモロリフの存在感がしっかり有るので、VINTERRIKETの音楽性はアンビエントに寄り過ぎててちょっと…という人でも気に入るんじゃないかと思います。VINTERRIKETがアルバムを通して一つの情景を見せる傾向があるのに対し、このバンドは寒々しい情景は保ちつつも、曲毎に表情を変えながらアルバムを構築するのも異なるポイントですね。

また、このバンドはレーベル「Cold Dimensions」に所属しているだけあって、空間・音響の演出力が高いのも大きな魅力だと思います。時に奥行きを感じさせ、時にシンセの音色と溶け合いながら情景を演出し、時に歪みを弱めてトレモロを前に出す、ギターのノイズ質の使い方が実に上手い。基本的にはシャーシャー系の、高音域強調系のキツめの歪みなんですが、シンセが上手く包み込んでるせいでそれ程耳に痛くなく、むしろ気持ち良いくらいなのが良いですね。

私はレーベルに惹かれて買いましたが、これはかなり良質の物件ですよ。1stにして、今のXASTHURやVINTERRRIKETに負けない魅力が具わってると思います。コールド/ディプレッシブ系はブラックでも人気の高いサブジャンルですし、これから話題になってもおかしくないバンドなんじゃないかと思います。

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