この曲を聴け! 

Return of the Pride / WHITE LION
cozy_ima ★★ (2008-05-02 18:12:00)
ここに歴史的名盤がまた一つ生まれた。
この作品は後年、ハードロック史上における名盤として
語り継がれるだろう。
弱いかな、と思わせるのはラストの1曲だけだろうか。
ただ、この曲は異色なため、聴き込むとこれも含めて
トータルで名盤となる可能性を持っている。
案外、歴史的名盤というのは、必ず1曲リスナーを
悩ませる曲が入っているものだ。
この作品は、はっきり言って全く期待していなかった。
正直に言えば、amazonに注文したとき、他の作品とまとめて
本当についでに注文したものだった。
しかし、1回まわしてみて、何か感ずるところがあり、
2回、3回とそれこそ、ヘヴィロテ状態になってしまった。
本作の魅力は、
まず第一番に、メロディである。ここまでの楽曲を揃えた
作品は、過去のメロハーの作品でもなかなかない。
ラストの1曲を除いて、どれも印象的なメロディで
埋め尽くされている。特にどの曲も、サビが強烈な
フックを持っている。。
そして第二番に、構成力である。
まず1曲目が8分台の超大作であるが、冗長さを全く
感じさせない。プログレバンドでも、これほどストーリー性
を感じさせながら、聴き手を惹きつけるナンバーはない。
そして本作のハイライトとでも言うべき、#6。
これはもうヘヴン&ヘルの世界である。
そして強烈なメロディを持つ、という点において、
ヘヴン&ヘルを凌駕している。
この1曲のみで歴史的名盤は決定したも同然だ。
更に言うなら、巧みなフレーズを放つギターだ。
ヴィトほどの派手さは全くないが、このギタリストの奏でる
メロディは尋常でない。メロディの卓越さに加えて、
エモーショナルの度合いが凄まじい。
一音一音に目一杯情感が篭っている。
マイナースケールが主体ということもあり、作品全体としても
叙情性はかなり高いが、このギターワークにより、更に
感動的に盛り上っている。
そして更に重要なのは、楽曲がバラエティに富んでいる、
という点だ。
マイナースケール主体でありながらも、ハードチューンと
メローなナンバーをうまくかみ合わせて、トータルとして
名盤と唸らせるだけのものを持っている。
アコGやピアノ、ストリングス等、音作りも多彩で、
またその使い方が実にうまい。
音的にはドライな感じで、メインストリーム全盛期のような
派手さはないが、各パートに職人的な作りこみがあり、
ある意味70年代の名作群が持っていた、非常に大きなスケールを
感じさてくれる。
#4,#5,#7のメローなナンバーは、これから多くのリスナーに
よって、名曲として語り継がれるだろう。
個人的には、哀愁漂う、#3のロックンロールチューンに痺れた。

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