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Transylvanian Dreams / TYMAH (TUMAN)
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2008-09-05 23:28:00)
2005年発表の1st。

基本的にはオーソドックスなプリミティブブラックという感じなんですが、スローパートにちょっとFreezing Moonを髣髴とさせる部分があったり、Funeral FogやBuried by Time and Dustを意識しているのでは…と思わせるリフが出てきたり、全体を通してEuronymousの時代のMAYHEMの息吹が感じられるのが大きな特徴ですね。時折見せるオールドスクールな部分も、Dead在籍時のMAYHEMに近い雰囲気がありますし。

ヴォーカルのメイクがDeadそっくりだったり、Deadに捧ぐと書いてあったり、実際にもMAYHEMには並々ならぬ思い入れがあるようですね。「フリージング・ムーンに追従する全ての本物の戦士達に敬意を」とまで書かれてますし(笑)。MAYHEMっぽいだけでなく、プリブラとしての根幹の部分も素晴らしく、特にこのジャンル特有の、得体の知れない不気味さとメロウさを両立させるトレモロリフのメロディはレベル高いと思います。ただ、ギターの歪みは結構キツめなので、このジャンルを聴き込んでない人だと少し慣れが必要になってくるかもしれません。

あと、ヴォーカル、ギター、作詞、作曲を担当する中心人物のDimは女性のようですね。確かに、この鬼婆が包丁を持って襲い掛かって来るような独特のエグみのあるデスヴォイスは女性ならではのものだと思います。個人的にはプリミティブのヴォーカルにしては声質が少しやかましい感じがしてあまり好きではないんですが、迫力や表現力は認めざるを得ません。

このバンドはハンガリーのトレンドに染まったブラックメタルのシーンが大嫌いらしく、わざわざ嫌いなバンド名まで挙げてるんですが…逆に挙げられてるバンド聴きたくなります(笑)。フランスのANOREXIA NERVOSAやアメリカのAVERSE SEFIRA、ポーランドのBEHEMOTHなんかも自国のシーンを良く思ってないような発言してたし、隣の芝生が青く見えるのは万国共通なのかも。

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