この曲を聴け!
Crowzfest / V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS
Usher-to-the-ETHER ★★ (2007-09-04 09:42:00)
主にアマチュアで活動するメタルアーティストの音源を集めたコンピ盤。2007年作品。
曲毎の関連性は特にないと思われるので、一曲ずつ感想を…。ちなみに全曲インストです。
「Hot Rod / 埼玉最終兵器・GODSPEED」
埼玉最終兵器は以前聴いたフルアルバム(RED LUCIFER RISING)が思いの外微妙な出来で、
特にリフがイマイチだと思ってたんですが、この曲でのそれはなかなかにかっこいいです。
ロックオルガンなどともしっかり絡んでいるのが良いですね。オリジナルのがいいかも。
「PHOENIX SWORD / 平松俊紀」
フェニックスアロー+サイコソード?KOFを思わせるタイトルの曲(笑)
何気にバッキングにチェンバロを仕込んでるアレンジがいい感じです。
タイトル通り、勇壮な曲調。
「Drive Ignition / BETTER HALF」
う~ん…悪くないけど、前曲と曲の全体的なイメージがちょっと被ってるかも。
中間部のアトモスフェリックなキーを配したパートとか結構好きですが。もう一声欲しい所。
「Ayahuacsa / JESUS IS DEAD」
最初はリフがツボにはまらず、好きじゃなかったんですが、よく聴くとベースがメロウで
なかなか。ギターのザリザリした音質も好み。でも個人的にリフは微妙かなぁ…。
「Black Label / MYONMYON」
妙な響きのフレーズがあったり、ギターが左右のチャンネルを往復するようなフレーズも
あったりしてちゃんと音響にも気を使っているのが嬉しい。オリジナルアルバムでは
メロデス風のインストメタルをやりながら、ここではドゥームを提供という幅の広さも流石です。
「Kick Your Ass / CROW'S CLAW」
主催者であるCROW'SCLAW」の曲だけあって、出音からして他のバンドに
負けまいという気概が伝わってきますね。確信と自信に満ちた曲調だと思います。
ギターの重厚で金属的な音は、最早メジャーとの垣根を感じさせません。
「Adrenaline Shooting / DEMETORI」
DEMETORIは好事家の間でも既に評判になっているらしいですが、噂に違わぬ質の高さ。
聴いていると異次元に引き込まれるかのようなアンサンブル。SEを除くと、3分強の
曲だというのに、ここまで充実しているのも凄い。アルバム1、2を争う出来かも。
「mirror / SERENADE」
ヘヴィなメタルサウンドと、メランコリックで畏怖を覚えるような耽美さも備えたメロディ
…良い意味で、RPGの戦闘シーンにも使えそうな曲。もっとも、この曲調だとラスボス
限定という感じですが(笑)。ロマサガとかで使われてもおかしくないドラマティックな曲。
「EYES OF DEVILELIET / YAMAGEN'S DEVILELIET」
MYONMYON、SERENADE、そしてこのアーティストと、このコンピ盤は全体的に
若手が健闘しているという印象。適正の1,5倍くらいのテンポで疾走するかのような、
生き急ぎまくりな曲調が実にかっこいいです。パートによってはサイケさを感じたりも。
捨て曲も無く、約1000円とは思えないようなクオリティで、アマチュアメタル界の充実振りが
窺える一枚。ただ、ライナーの「様々なジャンルの美味しい所をカヴァー」はちょっと疑問かも。
ほとんどのアーティストがリードギターや展開、メロディをリフやリズム、音響、音像よりも
重視した作風な上、エクストリーム系のメタルが一曲も無いというのは少し寂しい。
それに同人界隈では民族系が流行のようですが、一曲くらいはリードギターの代わりに
フィドルとか(打ち込みでも)入れたりする変り種メタルがあっても良かったんじゃないかと。
…尤も、それは私がブラックメタルや変り種のメタルが好きだからそう思うのかもしれません。
普通のメタルファンならもっと楽しめるし、特にメタルが好きじゃない人が聴いたとしても
十分かっこいいと思えるクオリティを有した、優れたコンピレーションだと思います。
全曲インストなので、メタルはヴォーカルが濃くて苦手な方にもお勧め。
でも、折角アマチュアで制約が少ないんだし、もっとトンだ作風も聴きたかったのが本音。
次回があるならXASTHURやNORTTに影響を受けた激鬱バンド登場!!…とかならないかな(半分冗談・笑)
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