この曲を聴け!
Souvenirs d'un autre monde / ALCEST
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2007-08-15 18:14:00)
2007年発表の1stアルバム。
今作もまた、前EP同様、ブラックらしからぬジャケが目を惹きますね。今作のジャケは緑を基調としたものになっていますが、これは1曲目のタイトル「Primtemps Emeraude(エメラルド色の春)」を反映したものでしょうか。相変わらずセンスがいいです。今回デジパックに直接歌詞が書いてあるという形式のためブックレットが無いのはちょっと残念ですが、デジパック内側の自然の情景も音楽性にあったもので、やはり必見。
音楽性の方も変わらず独自のノスタルジーを貫いてます。
ただ、トレモロリフやノイジーなギターサウンドなどブラックの要素を使いながらも清浄な雰囲気を醸し出すサウンドの根幹は変わっていませんが、前作とは違いあの声帯の軋みが聴こえてくるような絶叫は排除され、代わりにNeigeは普通声で歌っていますが…これがより音のノスタルジックさに拍車を掛けるまろやかな声で、実に素晴らしいです。曲によっては女性Voも取り入れてますが、彼女の声もNeigeの声も本当に繊細。個人的には、聴いていて幼少の頃自然ので遊んだ情景の追憶だったり、妖精が出てきそうな森だったりと色々な景色が浮かんでくる作品。ある意味走馬灯っぽい情景です(笑)。
タイトルはフランス語で「異なる世界の記憶」という意味らしいですが、このサウンドはNeigeの心の中にある世界の景色を描いたものなのかもしれませんね。…ほんと素晴らしい感性を持った人だと思います。纏めると、ブラックは暴虐や鬱、寒々しさ等以外にももっと色々な情景を描く事が出来ると証明した名盤と言えるのではないでしょうか。そういう意味では、ブラックの様式が好きな人は
ともかく、ブラックそれ自体が好きな人なら必ず聴いた方が良い作品と言えるかもしれません。
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