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Instinct: Decay / NACHTMYSTIUM
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2007-08-10 16:03:00)
2006年発表の3rd。
ブラックメタラーの間でも非常に評価の高いアルバムで、大手投稿型レビューサイトであるEncyclopaedia Metallumでは、今の所レビュアー8人中の平均点が93点という高得点振り。

曲的には、いかにもアメリカ産らしい、XASTHURやLEVIATHAN辺りにも通じる、靄が掛かったようなRAWなプロダクションと、遠めから聴こえてくる人間性を失ったようなヴォーカルがカルトな空気感を発散しているブラックメタルで、メンバーが4人いるとは思えないくらい鬱屈した雰囲気。
良く聴けば意外にバンドサウンドが魅力的だったりする箇所もありますが、人を寄せ付けない雰囲気は上記の独りブラックにも通じる物がありますね。

ただ、曲の方は上記のバンドよりも聴きやすく、かつバラエティ豊か。
音像こそいかにもアンダーグラウンドな感じですが、トラッド色も感じられる叙情的なメロあり、メタルとして充分にかっこいいようなバンドサウンドあり、Transylvanian Hungerタイプのトレモロリフをフィーチャーしたプリブラの必殺曲あり、サイケデリックかつメロウな音色のギターをフィーチャーした曲ありで聴いてて飽きる事はないでしょう。

そこそこの聴きやすさはあるのに、雰囲気の濃さは半端ではない名盤。
ある意味での芸術性とアメリカ産ブラック特有のカルト性が噛みあった作品だと思います。今度日本盤も出るらしいXASTHUR辺りの瘴気が体に馴染む人にはかなりお勧め。

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