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Temples of Ice / VENOM
火薬バカ一代 ★★★ (2007-05-08 22:10:00)
VENOMと言えば、やっぱりトリオ時代よりもツインGの4人編成時代、それもクロノス脱退後の作品が最高っスよ!という軟弱スラッシャー(俺です)が愛して止まない、'91年発表の7thアルバム。
前作『PRIME EVIL』は、従来のスラッシュ・メタル路線にVENOMらしからぬ整合性やドラマ性といった要素を持ち込んだ意欲作だったが、今回もその作風を継承。全体的に更に英国パワー・メタル路線へと接近した内容に仕上がっている。
勿論、相変わらずデモリションマンのVoはダーティな吐き捨てスタイルだし、⑥⑦⑧のような荒々しいスラッシュ・チューンもしっかりと収録されているが、それ以上に強烈なインパクトを放つのが、曲調はノリノリでもインスト・パートは劇的な①、全編を貫く叙情メロディとVoの熱唱(熱シャウト?)が映える④、スラッシーな疾走感と、大仰な曲展開がガッチリと組み合わさった⑩、そして、切れ味鋭いリフ&リズムの上に雄々しいメロディが乗っかり、アコギやメロウなBソロまで導入してシャープに疾走する名曲②といった、ドラマチック路線の楽曲の数々。
昨今のVENOM再評価が、主にクロノスのカリスマ性の高さに集中している事もあって、すっかり影が薄い・・・というか完全に忘れ去られてしまっている本作だが(まるでトーマス・ローゼンメルケル在籍時代のDESTRUCTIONのよう)、決して質は低くない。というか、個人的には初期の数作より遥かに愛聴している作品です。
「お行儀の良いVENOM」という形容詞に拒否反応が出ないスラッシャー限定でお薦め。

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