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薔薇架刑 / ALI PROJECT
Usher-to-the-ETHER ★★ (2007-04-03 19:40:00)
レーベル「Mellow Head」への提供曲に新曲1曲を加えたベスト盤。2007年発表。
初回限定盤は豪華な装丁で、「聖少女領域」のPV入りのDVD付き。
…個人的には、ドラマCDへの提供曲は1曲に2000円強を払うのはかなり躊躇われて、
結局見送ってしまっていたので、こうしたコンピレーションを出してくれるのは嬉しい(笑)。
今までにもALI PROJECTは幾つかのベスト盤を発表していますが、昔の音源に照準を絞った
作品である「Deja vu」、後半のキラーチューン連発が圧巻とはいえ前半はポップに過ぎる
曲が多いという印象の「Collection Simple Plus」と両方ともやや癖のある内容だったため、
今回のこのアルバムで遂に新規ファンにも強くアピール出来るベストが出たように思います。
まず、収録されているシングル表題曲4曲(「禁じられた遊び」「聖少女領域」「阿修羅姫」
「薔薇獄乙女」)は、どれもALI PROJECTの特性である、過剰なまでのシンフォニックさと
右に出る者はいない程のロマンティックでキャッチーなメロディを備えたキラーチューン。
聴いていて、最初に「聖少女領域」でこのユニットを知り衝撃を受け、CDを買ってきて一日に
30回くらいリピートしてた記憶がありありと蘇ってきます(笑)。この時点でALI PROJECTの
入門としては最適かと。更に「君がため、惜しからざりし命さへ」や「春蚕」などの、この
アーティスト独特の美意識がねっとりと絡み付いてくる曲や、「S嬢の秘めやかな悔恨」や
「あたしがアリスだった頃」のようなバラードナンバーも網羅。
加えて、ストリングスのみによるアレンジの新曲である「薔薇架刑」も収録。
これ一枚でALI PROJECTの魅力がたっぷりと味わえる、優れたベストアルバムだと思います。
ちなみに、初回盤は見開きのアートワークといい歴代シングルの衣装といい、超豪華。
アートワークは結構賛否あるようですが、私的には完全に「賛」の立場ですね。
「禁じられた遊び」とか綺麗過ぎだし、「阿修羅姫」はかっこいいし…何より、偉そうな事を
言いますが、世間からイタイとか言われる事を恐れるあまり、萎縮して自分の表現したい物を
抑制してしまうようなヘタレを「アーティスト」と呼ぶのは物凄い抵抗があるんですよね。
これらのアートワークは、ALI PROJECTがそういったB級以下の有象無象とは全く違う、真の
アーティストである事を証明するものではないでしょうか。
とにかく、ALI PROJECTの魅力がぎゅっと詰まった優良ベストなので、知らない方も是非。
このアルバムで初めて触れた方は、きっと今まで知らなかった事を後悔すると思います。
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