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賽德克巴萊 (Seediq Bale) / CHTHONIC
Usher-to-the-ETHER ★★ (2008-09-25 18:17:00)
2005年発表の4th。

シンフォ要素を大々的に導入したメジャー志向な音ながら、正統派に過剰におもねりすぎることなく、あくまでメロブラ的なリフを中心に攻め立てるタイプのシンフォニックブラックで、タイプとしてはDIMMU BORGIR辺りが最も近そう。低~中音咆哮と喚きを使い分け、よく語尾部分を高音絶叫するヴォーカルは(COFの)Dani Filthに近いタイプといえそうですが。でもヴォーカルは聞き苦しさはないけど、咆哮も絶叫もDaniと比べるともう一歩な感は否めないかも…。

…エクストリームメタルの魅力として、「音に押し流される快感」というのがあると思うんですが、このバンドは二胡やアジア風女性Vo、オリエンタルなメロディなどが音にしなやかさを与えていて、大河の流れに身を浸すような感覚がありますね。こういうアジア的なメロディって、アジア圏の人には親しみやすく響くと同時に、欧米の人からしたら神秘的に聞こえるんじゃないでしょうか。うちらがペイガン聴くような感じで。…個人的にはメロディを、もっとあからさまにオリエンタルにしても良かったと思いますが。

ちょっと残念なのはプロダクションですね。
バスドラが妙に軽い上に音がでかく、うるさい。第一印象はメロディの美しさとか質の高さよりも「なんだこのドラムは…ビキビキビキビキうっさいなぁ(怒)」でした(苦笑)。聞き苦しさが過激さに繋がってない辺り、かなりマイナス。折角メジャー志向なんだから、もっと聴きやすくしてくれても…。

…このアルバムのテーマの「霧社事件」って、抗日事件ですよね。そんなアルバムで日本盤が出てしまう日本人のこだわらなさって…(笑)。以前DARKTHRONEが人種的な事を匂わせるステイトメントを出して、あわやレーベルのボイコットに遭うかという憂き目に遭ってましたが、彼らも日本に生まれてればそんな目には遭わなかっただろうに(笑)。

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