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Mistreated / S.D.I. / S.D.I.
火薬バカ一代 ★★ (2007-03-23 23:35:00)
Gをフランク・ティーシングからライナー・レイジに代えて、'89年に発表された3rdアルバムにしてラスト・アルバム。
一聴して、かなりメロディ重視の姿勢を取っている事が明らかな内容で、別にそれで疾走感が失われてしまった
ワケではないのだけれども、前作『SIGN OF THE WICKED』に比べ、長尺・複雑化(と言うほど大袈裟なモノじゃないが)が
進んだ楽曲の数々は、スラッシュ/スピード・メタルと言うよりは、当時、ドイツで大流行の兆しを見せていた
「メロディック・パワー・メタル」と表現した方がしっくり来る印象。
勿論、それが悪いなんて事もなく、ダイナミックな曲展開が魅力のOPチューン①、疾走する正統派へヴィ・メタリックなリフと
Gソロがカッコイイ②、スラッシーな③、全収録曲中、最もジャーマン・メロディック・パワーメタル風味が強い⑦
といった楽曲は、疾走感をしっかりと保ちつつ、尚且つドラマチックで聴き応え十分。
新たに加入したGも、前任者に勝るとも劣らぬ煽情度のGソロを披露していて文句なし。
ただ、ここまで楽曲のメロディアス化が進むと、リーダーのレイナード・クルーゼがBと兼任するVoの弱さが
ハッキリと露呈してしまっていて、スラッシュ・ソングを歌うには何ら問題ない彼氏だが、
今回のような起伏に富んだ歌メロを歌うには、明らかに実力不足。また、ここに来て「陽性」のメロディが
チラホラと顔を覗かせるようになったのも、本作の印象を弱めてしまっている原因の1つのように感じられる。

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