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Choir of Horrors / MESSIAH
火薬バカ一代 ★★ (2009-03-08 02:40:00)
スイスは、ツーク州バール出身のデス/スラッシュ・メタル・バンドが、'91年に発表した3rdアルバム。
MESSIAHと言えば、コープス・ペイント施したメンバーが、低音の全く効いていないスカスカなサウンドの下、
邪悪でチープなブラック・メタルを全力で演奏していた1st『HYMN TO ABRAMELIN』しか知らなかったので、
アンドレアス・マーシャルが手掛けたダーク・ファンタジー調のジャケット・アートワークも美麗な本作を
初めて聴いた時は、向上著しいサウンド・プロダクションといい、疾走感はそのままによりドラマ性を高め、
ズッシリとしたヘヴィネスが宿った楽曲のクオリティといい、全体的に大幅なグレードアップが図られた
内容の充実っぷりに「化けやがったなぁ」と、かなり驚かされた覚えあり。
重々しく疾走する刻みの細かいGリフや、低音咆哮型(以前はギャアギャアとした喚き型だった)Voのグロウルこそ、
デス・メタリックなブルータリティを発散しているもののの、本編にはデス・メタル特有のドロドロとした粘着性や
病的な雰囲気は薄く、その作風はどちらかと言えばヨーロピアン・スラッシュ・メタル寄り。ダイナミックな曲展開に、
しっかりと構築されたフレーズを奏でるメロディックなG、そしてアコギを有効に用いて、楽曲に「静」と「動」の
ドラマを演出する手腕は、同時代のジャーマン・パワー・メタル的ですらあり(スヴェン・コンクエストを
プロデューサーに招いた成果か?)、取り分け、賛美歌調の荘厳なイントロで幕を開ける①、起伏に富んだ曲展開で
畳み掛けて来る⑤、荒涼とした雰囲気を撒き散らしながら疾走するインスト曲⑦、そこから繋がり、ラストを劇的に
締め括る⑧といった名曲を聴いていると、「より正統派HM色を強めたMORGOTH」なんて形容詞も思い浮かぶ。
デス・メタル/スラッシュ・メタル、双方のファンにお薦めできる優れもモノの1枚かと。

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