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Dante XXI / SEPULTURA
うにぶ ★★ (2007-02-01 01:01:00)
一応スタジオ・アルバムとしては10thアルバムになるでしょうか。'06年発表。
ダンテの『神曲』を現代と絡めて描写したコンセプト・アルバムということで、かなりの意欲作という印象です。ヨーロッパのクラシカルなサウンドのメタル・バンドが『神曲』を取り上げるのなら分かりやすいですが、彼らがやるというのには驚きました。
いきなり冒頭で米英や国連批判をぶちかましていたり、実に「らしい」感じに料理していて面白いです。個人的にはダンテの宗教的倫理観にはちょっと不快感も覚えるので、ストーリーに忠実より、いじってあった方がとっつきやすい感じ。
地獄篇、煉獄篇と来て、天国篇でも救いがない辺りが興味深いです。『NATION』みたいなストレートなメッセージも良いですが、こういうひねった形にすると皮肉も効いて来ます。
サウンド的には色々凝ったこともしていますし、相変わらずジャンルごった煮な音楽性ですが、アルバム全体ではちゃんと統一感のある作品になっているのも良いですね。(ただし、日本盤ボーナス・トラックの余韻ぶち壊しの入れ方はマイナス。JPの「復讐の叫び」という選曲はナイスですが)
マックス脱退後も彼らは良いアルバムをつくってきたし、今回もバンドの新たな代表作と言えるくらいの力作だと思いますが…イゴール離脱が一時的なものであって欲しい。
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