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Reinkaos / DISSECTION
mokusatu ★★ (2006-09-12 02:04:00)
06年発表、実に11年振りの3rdアルバムである。
数年に渡る刑務所生活が Jon Nodtveidt(G.)に何をもたらしたのか分からないが、2ndのようなブラック・メタル・スタイルから、かなり意図的に脱却を図った事は確実だと思える。ヒステリーに満ち満ちたリフも、神経を切断させるようなスピードも、平穏を消し尽くす禍々しい音質も、何一つ残ってない。
つまりこのアルバムは、非常にメジャー・メタル指向の音楽だ。
そもそも、前作を忘れて好意的に聴けば、これが「ブラック・メタルではない」どころか「デス・メタル」ですらないと捉えられる(ボーカルはデス声ですが)。
(昨今のメロディック・デス事情は全く知らないものの)一番近いのはIN FLAMESだと思うが、IN FLAMESよりもデス・メタルぽさは薄い気がする。もっと落ち着いていて、力強い感触がある。リフひとつひとつ、音ひとつひとつが比較的、重い。
だからこのアルバムは、「ヘヴィ・メタル」なのだと思う。
そこら辺のメロスピと較べれば凄まじくヘヴィだ。疾走感など念頭にないかのようである。
Jonが新生DISSECTIONを「Anti-Cosmicmetal of Death」と呼んだのは、彼のオリジネイターとしての強い信念なのだろうが、何よりヘヴィ・メタルとの距離感(反逆性)こそ重要としたうえでの選択ではないか、と推測してみる。
反逆の音楽であるにも関わらず、最早スタイルとして定着してしまったブラック・メタルのフォロワーになど、安住出来るはずがない、と・・・。
前作と較べてどうであろうと、少なくとも、スウェディッシュ・メロディック・ヘヴィ・メタルとして充分な完成度であろう。DISSECTIONは知らないIN FLAMESファンに感想を聞いてみたい(正直、凄ーい似てるパートが結構あるw)。

このアルバム発表の約4ヶ月後の2006年8月半ば、Jonの銃自殺によりバンドは解散している。

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