この曲を聴け! 

The Adversary / IHSAHN
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2006-04-06 19:43:00)
遂に発表された、Ihsahnの1stソロアルバム!!
2006年発表。

PECCATUMの「Lost In Reverie」「The Moribund People」ではブラックの要素を残しつつも、ジャズやインダストリアル、アンビエント等の要素を取り入れた前衛的な音楽を作っていたため、もうIhsahnはそっちの暗黒芸術路線で行くのかと思っていたら、この作品は意外にもメタル要素がかなり強いアルバムになってました。

路線としてはEMPERORの4thの暴虐さを少し押さえて(それでも一般的なメタルよりは全然激しい)、「The Eruption」「Empty」「The Tongues Of Fire」等で顕著だった高貴な感じのメロディを更にパワーアップさせ、シンフォニックさを増した作風と言う感じでしょうか。
PECCATUMの3rdで見せたような音の響きそのものを追求しているようなサウンドは今回は控えめですが、それでもギターやキーボードのアレンジの細やかさはさすがIhsahnと言った感じで、過激さを求めて衝動発散の為に聴けるだけでなく、じっくり鑑賞しても楽しめる素晴らしいメタルアルバムになっていると思います。

一回聴いただけで、やっぱりIhsahnは凄いなぁ…と、改めて彼の才能に平伏してしまいました。また、このアルバムではIhsahnの朗唱がかなりの頻度で聴けるのも嬉しい所です。PECCATUMの3rdは良かったけど、雰囲気に溶け込むような声が多かったので…もちろんヒステリックで擦れきったような高音デスヴォイスも冴えまくってます。

今回は結構ハイトーンも使ってますね。私は正直メタルハイトーンって苦手な要素ですが盲目かもしれませんが、何故かIhsahnのそれは凄く好きなんですよね。何か高貴さや上品さを感じるというか…。中音域での朗唱や、サウンドそのものと合わさると、まるで高潔さ故に苦悩する騎士が歌っているかのような感じすら覚えます。
…やっぱりIhsahnって、デス声と普通声を両方とも使えるヴォーカリストの中ではULVERのGarmと並んで最も好きですね。因みにそのGarmも4曲目で素晴らしい歌声を披露してます。

…まだ4月だけど、早くも今年のベストアルバム第一候補です。EMPERORの4thの緻密でシンフォニックなアレンジに惹かれた方は是非!!私的には、全曲が超名曲レベルの神盤です。

→同意