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Invasion / SABER TIGER
凶獣に牙を ★★ (2007-06-27 20:36:00)
前任のヴォーカリスト渡辺徹の脱退後、新Vo.に女性シンガーの久保田陽子、
新たにもう一人のギタリストとして、田中'machine'康治を加えたラインナップでリリースした五人編成期の1stフルレンス。
1stと言ってもSABERは、結成から1stアルバムの発表までに、10年以上も活動していた遅咲きバンドなわけで、
その楽曲自体も、既に独自の円熟味を感じるほどに(それまでのバンドサウンドの)様式を確立してきている。
収録された曲は主に、それまでに培ってきたSABERの楽曲をスケールアップさせたモノ、と言った感じに仕上っており、
特に新加入の田中が書く楽曲の中には、捻りの聴いたイントロ・リフや変拍子、転調といった要素を活かした曲が光っていて、
その存在感がこの新生SABER TIGERにとけこんでいることが感じられるだろう。
久保田は久保田で、それらの難解なSABERの楽曲に、独自のメロディ・フィーリングを吹き込み、柔軟に、且つ耳につく歌を聞かせている。
これは、それまでのSABERの曲とは違う質のメロディだと言えるのかもしれない。
歌に関しては、要所要所で多少リキみがあるせいか、
声を荒げながら歌う箇所がいくつかあるが、これはその後の作品にも強く活かして欲しかったような気もする。
全体的にストレートで聴きやすく、楽曲の面でも優れている曲が多いので、
五人編成期を知るキッカケにはもってこいの佳作である。