この曲を聴け!
Strap It On / HELMET
うにぶ ★★ (2005-09-25 21:29:00)
2nd『MEANTIME』でブレイクし、パンテラを初めとする90'sへヴィネスのバンド群の中でも代表的な地位にいたヘルメットの、'90年発表の1stアルバムです。
リーダーのペイジ・ハミルトン(vo,g)が学校でクラシックとジャズを学び、学士と修士号まで取得してるという経歴を持っているため、テクニックひけらかし系バンドになりそうなものですが、音楽性はかなりシンプルに聴こえます(実際はけっこうテクが必要そうな、ひねくれた曲ですが)。
ハードコア、メタル、グランジ・・・どうとでも言えそうで、どこにも属さない、まさにオルタナティヴなヘヴィ・ロック。
ミドル・テンポ主体の、タイトなリズム隊、ための効いたへヴィなリフ、メロディではなくノイズを迸らせるギター・ソロ、激情のままに言葉を吐き捨てるヴォーカル。
こういう表現だとそこらのヘヴィ・ロック勢と何も区別がつかないか・・・。
なんと言えばいいのか、まずノリが独特なんです。それとただヘヴィな音を出すだけでなく、冷めた知性を感じさせる抑制された感覚があって、でもしっかり荒々しさや感情は突き刺さってくる。聴かないとわかんない独特の空気です。
似たバンドを思い浮かべるのは難しいですが、強いて言えばPRONGが似たような空気を発散していたかも。
ヘルメット独自の音楽はこの時点でもう完成に近づいていて、以降のアルバムも音楽性は似ているんですが、このアルバムが一番荒々しく攻撃的で、危険な感じがします。
あと低予算のインディ作品なので、音は思いっきり生々しくて、次作以降に比べれば軽くてペラペラ、スカスカに聴こえますが、そこがまた曲の雰囲気にぴったり。ジャケのアートワークもわけわかんないけど合ってます。
とっつきやすさは『MEANTIME』ですが、音が悪くてももっとヤバイのが聴きたいという人はこちらをどうぞ。
→同意