この曲を聴け! 

Shovel Headed Kill Machine / EXODUS
火薬バカ一代 ★★ (2006-07-24 17:24:00)
再結成2作目を前に早くもラインナップが崩壊。ゼトロ離脱は予想範囲内だったが、H-TEAMの片翼リック・ヒューノルトと、
EXODUS独特の疾走感の要トム・ハンティングの脱退には心底驚かされた。ともあれ、その後任にポール・ボスタフとリー・アルタスを
迎え入れるというサプライズ人事で体制を立て直し、殆どベイエリア・スラッシュ・オールスターズと化したEXODUSが
'05年に発表した7thアルバム。しかもこれが傑作ときたもんだ!
メロディ無視で吠えまくるVo(ポール・バーロフ程の狂気はないが)、キャッチーさより攻撃性を重視した作風は、
1st「BONDED BY BLOOD」を思わせるが、これまでになくベース音が強調された音作りと、重量感溢れるタイトなドラミングによって、
ガチガチにビルドアップされまくった硬質な楽曲は、明らかにその1stの頃の路線とも異なる。
「ショベル付き殺人戦車」の進撃の如きミドル・チューンも迫力だが、やはり本作の肝は高速スラッシュ・チューン。
中でも頭3曲のリフのカッコ良さは強烈の極みで、スラッシュ・ファンならハートを鷲掴みにされること請け合い。
また、こうした楽曲に流麗に斬り込んでくるリー・アルタスのGも期待通りのドラマ性を誇り、
ともすれば剛直一辺倒になりがちな楽曲に潤いをもたらすと共に、美醜の対比によるダイナミズムをも生み出している。
前作『TEMPO OF THE DAMNED』も良く出来た作品ではあったが、本作を聴いてしまうと、やはり人間関係の歪みが、
その完成度に多少なりとも影を落としていたのかな・・・と思わざるを得ない。
新たなEXODUS流スラッシュ・メタルの創出に成功した、底なしの才能の持ち主ゲイリー・ホルト、恐るべし。
そして、同じく豊かな作曲能力を有するリー・アルタスが曲作りに参加するであろう、次作以降のアルバムが今から楽しみでならない。

→同意