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Terrestrials / ATROX
Usher-to-the-ETHER ★★ (2005-07-08 17:55:00)
2002年発表の3rdアルバム。
簡単に説明すると「プログレ的な要素も含んだ、美しいメロディをフィーチャーした
ゴシックメタル」と定義できそうな音楽性なんですが、ヴォーカルがほんと素晴らしいです。
The 3rd and the mortalのヴォーカリストの妹であるMonikaという人物がヴォーカルを
取っているんですが、一体どうやって歌ってるんだろう…と訝りたくなるほどに、
声の種類が多く、それを複雑怪奇に組み合わせて異様な世界観を演出しています。
前評判で「呪術的」「狂気に憑かれたケイト・ブッシュ」「無邪気さと邪悪さの両立」等、
凄く惹かれるような感想を目の当たりにしてきたんですが、ほんとに期待を裏切りません。
もちろん「狂気」といってもただ叫んだり闇雲に悲鳴を上げたりするのではなく、
演歌の「コブシ」だけを抜き出したように複雑にピッチを揺らしてみたり、猫が
警告音を発しているかのような囁き声を出したり、元の声は綺麗なのに素晴らしい
壊れっぷりです(笑)。これ、譜面とかあるんでしょうか…
曲はほぼ6分以上で、やや長めですがヴォーカルに酔い痴れているうちに終わってしまいます。
もちろん曲自体もまあまあ良いんですけど、ラスト2曲にノイズがサンプリングされているのは
はっきり言って結構うざったいです。曲を台無しにしてる気が…
それと、Monika本人の手によるアートワークも秀逸です。
鶴とタツノオトシゴが合体したような奇妙な生物やら、一つの眼窩に二つの眼球を持った
人間、メンバーの顔(のイラスト)に落書きするトカゲの王様など素晴らしい感性です(笑)
でも、絵なんだし自分の顔をもう少し美形に描いても…(笑)
ともかく、このヴォーカルは自分が今まで聴いた女性ヴォーカリストの中では5本、
いや3本の指に入るかって言うくらいに凄いです。
こんないいヴォーカリストに巡り会えるのなら2千円ちょっとの出費は惜しくないですね。
でも、どうやら去年Monikaは脱退してしまったらしいのでかなり残念…

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