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IX / BULLDOZER
火薬バカ一代 ★★ (2008-01-19 17:39:00)
'80年前後から活動を開始、メンバーが大ファンだったというイギリスのTANKからバンド名のヒントを得て、
BULLDOZERを名乗ったイタリアはミラノ出身のトリオ・スラッシャーが、'87年に発表した3rdアルバム。
背徳的(というかお下劣)な歌詞と、エロ本をコラージュしまくったジャケット・デザインが良識者の顰蹙を買い、
KERRANG!やMETAL HAMMERといった雑誌で0点を食らった問題作としても知られるが、収録された楽曲自体は、
0点どころかムチャクチャ高得点モノのカッコ良さを誇る。
作品を重ねる毎に整合性を高めて行き、デビュー当時のVENOM直系の邪悪でノイジーなブラック・メタル・スタイルから
完全に脱却した本作で聴く事が出来るのは、炸裂するような疾走感を基本に据えつつも、そこにイタリアの
バンドならではの濃いめの叙情性を隠し味として加えた、正統派のスラッシュ・メタル・サウンド。
特に、静と動の対比が高いドラマ性を演出する②、まさにBULLDOZERの如き荒々しさで突き進む⑦、そして激烈なスピード・ナンバーの⑧から、
ユーロ・プログレ調のアウトロを経て、ドラマティックな⑨へと繋がっていく後半の組曲形式の展開は、間違いなく本編のハイライトかと。
勿論、忙しなく動き回る単音リフが90年代以降のブラック・メタルを先取りしていた①や、息つく暇なく畳み掛けて来る
⑤⑥を筆頭とした、力押しの高速スラッシュ・チューンのカッコ良さについては、今更言うまでもない。
尚、METAL MINDから再発されたリマスター盤には、日本公演の音源も収録。正直、居合わせたLABYRINTHファンは
ポカーン状態だったに違いないが、こうして聴くと、結構盛り上がっていたようなので一安心(笑)
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