この曲を聴け! 

ReliXIV / OVERKILL
火薬バカ一代 ★★ (2010-03-06 22:05:00)
90年代の迷走期を経て、21世紀に入ってからのOVERKILLは徐々に復活の兆しを見せつつあったが、
そのことを決定付けたのが'05年発表のこの14thアルバム・・・だったのかな。今にして思えば。
因みにアルバム・タイトルは「RELIC(遺産)」とローマ字数字の「14(XIV)」を掛けた造語なんだとか。
噛み付くように歌うボビー“ブリッツ"エルズワースのハイテンションなVo、「鉄球を転がすような」と
評されるDDヴァーニの極太B、そして硬質なリフの刻みから劇的なハーモニー・プレイまでメロディックに
こなすツインGとが一塊となり突き進む、剛直なOVERKILL流HMサウンドの旨みを保持しつつ、今回は重苦しい
ダークさが薄れ、良い意味で軽快さを増した音作り(プロデュースはバンド自身が担当)を手始めに、
カタルシスを伴った疾走感やキャッチーさといったスラッシュ・メタル的な要素が大幅回復を遂げており、
特に、重厚なイントロから爆走へと転じる①、挑みかかるような曲調とノリの良さ、それに劇的な曲展開を
併せ持った③(名曲!)、思わず体が反応するクールなグルーヴを備えた④、再びアクセルを限界まで
踏み込んだ高速スラッシュ・ソング⑤といった秀逸な楽曲が並ぶアルバム前半は、取り分け
そうしたテイストが色濃く感じられ、聴いてるとグイグイ引き込まれて行ってしまう。
「ボビー・ガスタフソン脱退以降のOVERKILLはどうも好きになれない」というオールド・ファンの方々も、
この作品辺りから聴き直してみるってのはいかがでしょうか。

→同意