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The Sane Asylum / BLIND ILLUSION
火薬バカ一代 ★★★ (2007-10-28 01:32:00)
後にPRIMUSを結成するレス・クレイプール(B)とラリー・ラロンデ(G)が在籍していた事で知られる、ベイエリアの古株テクニカル・スラッシュ・メタル・バンドが、'88年に発表した唯一のフル・アルバム。
結成は'79年と、その活動歴はかなり長く(初期にはHEATHENのデヴィッド・ゴドフレイも在籍)、本作に収められた楽曲には、その頃からコツコツと作り溜められたマテリアルが使用されている。そのせいか、一筋縄で行かない作風の割りに難解さは控えめで、結構取っ付き易い。ベイエリア・クランチ的な明快さとは無縁ながら、暗い湿り気を帯びたメタリックなリフは単純にカッコイイし、③のような(彼らにしては)ストレートに疾走する高速スラッシュ・チューンも収録。
だが何より特筆すべきは、リーダーのマーク・ビーダーマン(G)とラリーによる流麗なツインGで、時に正統派ヘヴィ・メタル然としたハーモニー・プレイを披露しつつ、複雑に絡まり合いながら、楽曲のテンションを高めていくそれは、単にテクニックに優れているというだけでなく、メロディも独り善がりとは無縁の強力なフックを備えていて、間違いなくこのアルバム最大の聴き所となっている。
特に、スリリングなインストの前半と歌入りの後半の二部構成からなる大作④と、“KAMIKAZE"というタイトルからして食指をそそる劇的な⑤は、「緩」と「急」を自在に操るリズム隊の良い仕事っぷりも含めて、本編中でも1、2を争う名曲じゃないかと。
PRIMUS的な変態性は殆ど感じられないので、MEGADETH辺りがイケル口のメタル・ファンは是非ともレッツ・トライ。

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