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Out of Reach / BLIND FURY
火薬バカ一代 ★★ (2009-11-16 23:10:00)
英国はニューカッスル出身で、BLITZKRIEGのブライアン・ロス(Vo)が在籍していた事でも知られるNWOBHMを代表する
名バンドの1つSATANが、そのブライアンの脱退(というか解雇)や、音楽性の変化を契機にBLIND FURYと改名。
'85年にROADRUNNER RECORDSから発表した唯一の作品で、NWOBHM後期屈指の名盤と謳われる1枚。
手数の多いGリフの刻みから、息の合ったハーモニー・プレイに至るまで、スティーブ・ラムゼイとラス・ティッピンズの
絶妙なコンビネーションが堪能できるツインGを楽曲の中心に据え、如何にも英国的な煮え切らない湿り気を帯びた
HMサウンドは、SATANの作風を継承しつつも、前任者と異なり、ボーカル・ハーモニーなんかも似合う明るい声質の
持ち主である新Vo、ルー・テイラーの存在もあって、SATAN時代に比べるとグッとメロディアスに垢抜けた、
NWOBHMのみならず「80年代HM」的な魅力も放つ内容に仕上がっている。
特に、変幻自在のツインGハーモニーを伴って颯爽と駆け抜けていくOPナンバー①(IRON MAIDEN+PRAYING MANTIS?)や、
本編屈指のドラマ性の高さを誇るアルバム表題曲②、鋭角的に疾走するアグレッシブな⑤、
そしてラストを劇的に締め括る⑧といった楽曲のカッコ良さは格別。
今改めて聴き直すと、流石にサウンド・プロダクションは古臭いし、全体的に未洗練な印象が
否めないものの、それを差し引いてもHR/HMファンなら一聴の価値がある作品かと。

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